助成金について
再生可能なエネルギー源であり、地球温暖化の防止にも貢献するとして推進されている太陽光発電には、補助金制度があります。ここでは補助金の歴史・受給の手順・留意点について詳しく見てみましょう。
時はさかのぼり1970年代、燃料資源に乏しい日本は、石油資源に大部分を依存していましたが、中東情勢の混乱で発生した石油価格の急な高騰により、石油製品が枯渇し、火力発電の発電量が減少する事態が発生し、電力不足に陥りました。
このオイルショックにより、1974年に政府は「サンシャインプロジェクト」を発足させました。これは、太陽光による発電技術を開発し、普及させるため、愛媛県に1000kWの太陽光発電実験設備を設置したものでした。
1992年には個人住宅への太陽光発電設備の導入が始まり、各地方の電力会社や、地方公共団体からの助成により、太陽光発電設備は国内に急激に普及していきました。このような流れが、現在の太陽光発電の補助金のはじまりになっています。
2000年前後には、国内の太陽光発電の発電効率が非常に高まり、システム価格は数十分の一に圧縮されました。日本の太陽光発電の生産量や発電量は世界でも1位になり、普及率もピークを迎えますが、原子力発電の普及により、太陽光発電設備の開発・普及が拡大することはなくなりました。その間に世界が太陽光発電の普及にめざめ、世界1位だった日本を抜きさることになります。この状態への危惧により、2009年には補助金の内容や余剰電力買取制度が発足することとなりました。
しかし、ドイツの太陽光発電施策であった全量買い取り制度が、過剰な制度であったために、事実上破たんしてしまいました。これを見て、日本のこの補助金制度は大幅に改正され、凍結することになります。
現在は2012年7月に制度が改革され、10年間の固定買取制度がとられていますが、電力買取価格は早急に引き下げられる予定です。2014年には、国からの補助金は廃止され、地方自治体からのみの補助金となっています。システム価格は底値になり、補助金も電力買取も今後なくなっていくことが予想されますので、導入のタイミングは固定買取制度がまだある、まさに今だといえます。
補助金の申請方法
今後、補助金システムがどうなるかは定かではありませんが、今までの補助金申請方法について確認してみましょう。たいていは、工事施工業者が補助金申請の手続きを代行してくれることが多いのですが、なかには悪い業者もあり、申請がうまくいかない事態も起こっています。失敗しないためにも自分でも把握しておく必要があります。
- J-PEC 太陽光発電普及拡大センター へ補助金申込書の提出
- 補助金申込書の審査・補助金申込受理決定通知書の受領
- 太陽光発電システム設置工事着工
- 電力受給開始
- 補助金交付申請書(兼完了報告書)の提出 ※記載の完了報告書提出期限までに提出
- 補助金交付申請書の審査・補助金交付決定通知書の受領
- 補助金の受領
受給の際に気を付けるべきポイント
地方自治体から太陽光発電を設置する人へ補助金の受給ですが、その年度により、定員が決められています。補助金の申請は、その年度の申込が定員に達すると締め切られてしまい、受給ができません。また、補助金の申込は施工の前にしなくてはならない決まりもあります。申請のタイミングがとても重要だといえます。しかし、この決まりも、各年度によって変わっていきますので、よく確認することが必要です。
そして、補助金にばかり目をとられがちになりますが、大切なのは本来の太陽光発電です。補助金はあくまで設置費用の1部を補助するものであり、残りは自分で負担するものです。そのため、「補助金があるから設置してみよう」という考えから設置するものではなく、他にたくさんある太陽光発電のメリットに目を留めて設置を検討するべきだといえます。